自分より他人の問題が気になり、世話を焼くのに夢中になる「きょういぞん」とは？|お名付け 開運堂
『きょういぞん』という言葉を聞いたことがありますか？
しかも、その意味を理解している人は少ないのではないでしょうか。きょういぞんには『アダルトチルドレン』という言葉が添えられます。アダルトとは大人と言う意味、チルドレンとは子供という意味、単語の組み合わせで、誤解しているひともいます。
「精神的に成長していない人」とか「子供っぽい大人」と解釈している人もいるでしょう。アダルトチルドレンという言葉本来の意味は、幼年期にアルコール依存症者の家庭で育った大人。Adult Children of Alcoholicsの略になります。
ですが、意味が広いので、アルコール依存症に限ることなく、さまざまな依存症、両親の不和による機能不全家庭で育った人を差す言葉として使われています。アダルトチルドレンが注目を浴びた理由はアルコール依存症の親に育てられた子がアルコール依存症になる率が高いという現象が認められたからです。
親の依存症に苦しんだ子供は、その依存症である親を嫌いながら、自分も同じように依存症になってしまうことが多いというわけです。
しかし、絶対依存症者の親に育てられたからといって依存症になるわけではありません。
またきょういぞんになるのは、家族に依存症者がいるからでもありません。
それは、あくまでも傾向です。親が依存症ですと、どうして子供に引き継いでしまうのか。これは遺伝ではないということです。つまり、親の存在は子供にとっては絶大です。良くも悪くも子供は親の姿に触れ、親の子供への接し方を学びながら成長します。
幼児期に見える世界は、自分が育つ家庭の姿のみなのです。友人やテレビから理想的な家庭を知っても、それは見聞きするだけの知識です。それに比べ、子供にとって家庭の空気は絶大なわけです。子供は身近な『親』の影響を強く受けて育ちます。その影響は、自分が子供を持ったときにはっきり姿を現し顕現するのです。
つまり、自分がされたと同じ接し方を自分の子供にしてしまうのです。なぜなら、その育て方しか知らないからです。依存症の配偶者も、また『きょういぞん』であることが多いです。共に依存症の関係では、多くのエネルギーが相手に注がれます。すると、子供の存在がなおざりにされてしまうのです。
表面上は手を焼いて大事に育てているように振舞いますが内的エネルギーは依存対象に注がれています。きょういぞんの両親の子供たちは、ある役割を求められます。それが「良い子」であり、「手のかからない子」という役割です。
機能不全家庭で育ったアダルトチルドレンは聞き分けがよく、弟や妹の面倒をよく見るし、成績も優秀です。いわゆる「良く出来た子」なのです。これは依存症である親の反面教師と言うわけではありません。そうしないと生きていけない状況を強制的に選択するしかなかったから。心から理解できない親にさえ嫌われたくないのです。
そのためには良い子でいるしかないのです。感受性が強くなって、周りの人の感情の起伏を読み取る力に長けてしまい、問題を起こさないように自分を殺そうとします。
表面上は問題ないようですが、内面は荒波が立っている状態です。ありのままの自分が受け入れられる場所というのを知らないまま成人しています。ありのままの自分を受け入れられないまま放置した先に、自分はダメだと思い込む自己否定の観念が生まれます。その結果、「自分は価値が低い」「何も取り柄がない」という自己不全感になるわけです。
自己否定、自己不全はすべて『依存』に変化します。気持ちだけでは克服できないので、思い切って環境を変えたり、ルールを作ったりするやり方も有効です。
アダルトチルドレンは病気ではありません。レッテルや症状の名前、マイノリティーでもないのです。依存症をはじめとする機能不全家庭で育った人を定義する言葉です。この言葉は、依存症になった原因を読み解くキーワードになります。
依存症になったのは、意志の弱さや性格の欠陥でもありません。機能不全家庭で育った幼少期を問題視し、自分で自分を許しましょう。過去はやり直すことができないし、親を責めても解決しません。なぜなら親も同じ問題を抱えているからです。どうしてほしかったのか。なぜ傷ついたのか。それを知って、大人である今の視点から子供の頃の自分を深く理解して認めてあげましょう。過去を許し、自分を再構築するのです。重症な人は専門家に相談する必要があります。
傷ついた幼少時代を認め、それを踏まえた上で自分を再構築します。そうすることで依存回復ができるのです。まず自分が依存体質であるかどうか、正しく認識しましょう。とくに『きょういぞん症』の特徴は、自分のことより他人の問題が気になり、世話を焼くことに夢中になります。もうひとつの『回避依存症』とは、幸せになるのが怖いひとで、親密で深い関係を避けようとします。この２タイプは正反対ですが、磁石のようにお互い強く惹かれ合う。発展しない相手との恋愛をいつまでも続ける場合は、恋愛依存症の可能性の疑いがあります。「独りでいるよりはマシ」と思い、キッパリ別れることが出来ないのです。恋愛以外に生きる楽しみを持たないと趣味よりも恋愛を優先してしまう。そんな女性は『恋愛依存症』になり、苦しい思いをするでしょう。発展しない恋愛にしがみつくのは、お互いにとってマイナスでしかありません。別れようと思っても別れることが出来ないのは、まぎれもなく『依存症』です。尊敬できない、高め合えない関係ならば、恋人以外の関係にシフトすべきなのです。
相手に必要とされることが最優先になり、異性から必要とされていることが生きる目的になっている人です。恋愛以外にも楽しいことがあることに、気がついて欲しいです。
ヴィジュアルネーム「お名付け 開運堂」より
